
SOLD OUT
言葉とコミュニケーションについて哲学的な研究をされている三木那由他さんによる「哲学」と「私」の間を語ったエッセイ集。
抽象的な哲学話が、私という周辺のこととして日常的なやりとりから書かれていて読みやすいです。読みやすいだけでなく、話し手と受け手の関係性や背景に存在するコミュニティや勢力図といったものが何気なく発せられた言葉とコミュニケーションからじわじわと滲みでていることがあると改めて気付かせてくれます。
LGBTQ+という言葉の使われ方や単なる言葉ではすまない差別発言について、誠実な謝罪、不誠実な謝罪における言葉について、自分を語る一人称について、コンビニのトイレにある張り紙からの違和感についてなど。生活の中に何気なく、そこにある言葉から透けてみえるものに目を向けていきます。
四六判(ソフトカバー)/ 160p