絵画を基軸に生活や社会と美術の関係を問いかける独自の活動を行ってきた奥誠之さんが「絵描き」となった経緯や制作、社会における絵画について綴られた初となるエッセイ作品集『ドゥーリアの舟』。
具象にも抽象にも見えるその作品は、とらえどころがない故にどこまでも引き込まれていく魅力を湛えています。
言葉だけでも、絵だけでもなく、自分の内から溢れでるものを真摯に表層させながら、暮らしの中に溶けこませた17篇のエッセイと小さな絵がまとめられた一冊です。沖縄の思い出を語ったテキストも◯
みてきた絵や読んできた本、触れてきた風景に思い出ーーそういった小さなカケラ全てが集まって一人の作家を形作っているんだな、と書いてみれば当たり前なことですが、そんなことに感動します。
収録されている作品は一枚ずつ手貼りされていて、本として手元に持っていたい静かな存在感を放っています。
印刷: NEUTRAL COLORS、グラフィック
B5変形 / 160p / ソフトカバー