





SOLD OUT
沖縄出身の写真家、上原沙也加さんの写真集『眠る木』(赤々舎)。
ひとというひとは出てこない、どこか異国の観光地かなと思わせる風景の数々。一枚一枚の写真のなかに、何層もの時間とひとの足跡が重なっていることで、ここはいまの沖縄の姿なのだと気付きます。過ぎた時間のなかで変わった沖縄の風景といままさに変わりゆく風景を同時に見ているような不思議な感覚を覚えます。
沖縄戦後、米軍によって持ち込まれた(焦土した島の土壌流出を防ぐため)と言われるネムノキ、ギンネム(眠る木とも掛かる)のイラスト(一見ピンクで可愛らしい)があしらわれた表紙も印象的。本としての存在感も素晴らしいです◯
また本書に寄稿されている作家の柴崎友香さんと映像批評家の仲里効さんのテキストも必読です☝️
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「沖縄には沖縄だけのできごとがあり、厳しさがあり、生活がある。そのことを、この国の沖縄ではない場所に住む多くの(私を含む)人たちは、すぐに忘れてしまう。」ー柴崎友香
「風景の内側を渡っていく残影と残光をやわらかく結像させる眼力が、そこにはたしかにある。"いま"と"ここ"にあって〈どこか〉へと誘ってもくれる。」ー仲里効
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219mm × 205mm / 160p / ハードカバー