SOLD OUT
著者である社会学者の堅田さんは、学生時代に工場でのアルバイトで自身を労働力商品としてライン作業をしていた頃の話に一般的な「ふつう」(ふつうって?)とは違う野宿をしている人たちと出会います。彼らが住まう街は都市開発(オリンピックも含めた)の中でクリーン化され、彼らもまた排除されていくーー。そんな差別や暴力を生み出す社会のあり方を問い直そうとした一冊。
学術書としてではなく、日常的な話として語られるからこそ社会=わたしたちのこととして捉えられる良書です。
そしてコロナ禍の今、これらのことは繋がり、目の前によりありありと可視化される不平等や貧困、分断の問題に、その根っこにずーーっとある資本主義、家父長制に目を向けて抗うために、手にしてもらいたいなと思います。
四六判 / 192 / ソフトカバー