お知らせ(展示やイベントなど)

月刊 OKINAWAのかたち with 片岡メリヤス|1月

「キジムくん」をナビゲーターに1年を通して ぬいぐるたちと沖縄についてゆるく、真面目に学んでいきます。
東北、北海道の大雪を思うと、寒いなんて言ってられない沖縄の冬、新年を迎える1月はどんなおともだちを紹介してくれるのでしょうか。
キジムくん、ゆたしくねー◯

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本企画について詳細はこちら↓
https://hamahiga-aruhi.net/news/62d4e8e10046075c36888e49

はいさい!いーそーぐゎちでーびる(あけましておめでとう),キジムくんです。
みんなはどんな年末年始を過ごしたかな?
オイラはいつも通り、泡盛をたくさん飲んでグルクンをたらふく食べれて楽しかったよ。

今年も引き続きオイラのともだちたちを紹介していくからよろしくな。
1月は季節柄、今年も元気に会えてよかったなーと思える旧友たちって感じだな。
2023年もよんなーよんなーやっていこうぜ。

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*おまけ話
キジムナーには「大石林山」、「ガンガラーの谷」など古いガジュマルの木があるところに行けば出会えるかもしれません。
サンゴ礁の海に暮らすグルクンの頭が大好物。海に潜って漁をするのが得意でひとと一緒に漁に行ったり、人間と結婚したりもするなどひととの距離感が近い存在とされています。
そんなフレンドリーさもありながら、住んでいるガジュマルの木を切られたりして怒るとひとの命を奪うくらいとことん追い詰めてくる恐ろしい一面も持っているとか。「タコ、ニワトリ、熱い鍋蓋、屁」が嫌いなので、もしもの時は投げつけて逃げてくださいね!

*ぬいぐるみの特徴
キジムくんはよく寝てよく食べます。思ったより大食いで食べ散らかす癖があるので食材 を出しっぱなしにしていると大惨事になるでしょう。前髪がジャマをして近視になってし まった為、他のキジムナーより嗅覚が発達しています。匂いをかぐのが好きで人間も匂い で覚えます。人間とともだちになるために「ある日、」に住みついています。

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◯年頭拝み(浜比嘉島の旧正月)1月22日

おいらの出身地(東の御嶽のガジュマル)であり、「本と商い ある日、」がある浜比嘉島は沖縄の島々を創ったとされる男女の神様(女:アマミキヨ、男:シルミキヨ)が住んでいたと言い伝えられている。別名「神々が住む島」なんて呼ばれ方もしている、ちょっと厳かな雰囲気も漂う島なんだ。
そんな浜比嘉島の島民は今でも旧正月の行事を大切にしていて、年頭拝みでは家族の健康、村の弥栄を祈願するんだよ。旧暦の1月1日(2023年は1月22日)になるとまず井戸(カー)若水を汲んでくる。それから女性の祭司であるノロ(祝女)を中心に、各家からも一人ずつ参加して島の拝所を廻るんだ。新年に畑仕事の豊作と海の安全と大漁を祈願するってわけ。
さっきも触れたけど浜比嘉島は大きく、浜地区と比嘉地区という二つの地域に分かれている。ある日、があるのが比嘉地区。その比嘉地区の旧正月を祝う大きな場所がシルミチュー。この日に限ってはシルミチューの洞窟内も一般公開されるよ。でもコロナ禍となってからは島民だけで歌や踊りを奉納しているんだ。
土地を大切にする思いを繋いでいく、みんなで大事するものがある人間って存在もいいもんだよな。

*おまけ話
浜比嘉島の旧正月を取り仕切る女性の祭司をノロ(祝女)と紹介していましたが、もう少し詳しく説明すると琉球王国の時代に支配者によって任命された地域の女性神職者にあたります。今でいう国家公務員です。村落など地方の首長とされる按司(あじ)の妻や姉妹が祭祀を司ったと言われていて、その風習が今でも受け継がれています。沖縄にはユタと言われるシャーマンもいます。ノロは代々受け継がれているものであり神々や地域の守護神と交信するのに対して、ユタは超自然的な能力を用いて魂や祖先の死霊と言ったいわゆる霊と交信するという違いがあるそうです。

*ぬいぐるみの特徴
女|アマミキヨ  男|シルミキヨ:
2 人で力を合わせて沖縄の島々を作った。どんな島にするか意見を出し合う中で、島を想うばかりにヒートアップして揉めたこともあったけど今となっては良い思い出。島作りが楽しくてぽこぽことたくさんの島を作ったけど、島それぞれの魅力があって大満足。今はゆっくり神様業をしつつ、自分たちが作った島巡りをするのが趣味。たまに喧嘩もするけど、とっても仲良し。

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◯桜まつり(例年1月下旬~)

沖縄ならでは、ということの一つに1月に桜まつりが開催されるんだよ。日本全国で一番早い桜まつりとして知られていて、名所としては「本部八重岳桜まつり」や「今帰仁グスク桜まつり」、「名護さくら祭り」なんかがあるよ。ただ桜、と言っても沖縄にはいわゆる”ソメイヨシノ”はなくて、濃いピンク色が印象的な”リュウキュウカンヒザクラ”という種類の桜になるんだ。沖縄育ちの人は、幼い頃にテレビで淡く白い花を咲かせる桜をみてその違いにびっくらたまげるとかそうでもないとか。まーオイラもピンク色の桜しか見たことないんだけどね。一度は真っ白い桜の木の下を歩いてみたいと思っているよ。

*おまけ話
リュウキュウカンヒザクラは「寒緋桜」と書きますが、「緋寒桜」とも呼ばれています。
ただ違いはないようで、全く同じ種類のことを指しています。ほかにも「元日桜」「台湾桜」「サツマノヒザクラ」など別名がいろいろとあります。また花の咲き方も一般的な桜花のようには開き切らず、俯いたように咲きます。花びらは散らず、ガクのついたままポトリと落ちるのも特徴的です。沖縄の北部から南部へと桜前線は南下していきます。

*ぬいぐるみの特徴
寒緋桜一輪ちゃん:桜の中でも人一倍恥ずかしがりやで、すぐ顔が赤くなり濃いピンク色に咲いてしまう。みんなが綺麗と言ってくれるとどんどんピンクが濃くなってしまって恥ずかしいけど、褒められるのはすごくうれしい。桜の木からガクごと散って今は自由に歩くことができるようになった。歩くことに慣れてなくてすぐ疲れちゃうから人目のつかない場所で休んでいることが多い。いつか薄いピンクの桜と出会うことを夢見ている。

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新しい年を告げるような面々だっただろう?いつものようにこうして出会えてホッとするとともに、また来年も元気に会えますようにってそっと心に誓うんだ。
ってなわけでまた2月にな。