
月刊 OKINAWAのかたち with 片岡メリヤス|2月
「キジムくん」をナビゲーターに1年を通して ぬいぐるたちと沖縄についてゆるく、真面目に学んでいきます。
1月の大寒波で沖縄も肌寒い日が続いています。おかげで寒緋桜が見頃でしょうか。 2月中旬くらいまで桜祭りも各所でやっているのでぜひ行ってみてください。
というわけでキジムくん、2月もゆたしくねー◯
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本企画について詳細はこちら↓
https://hamahiga-aruhi.net/news/62d4e8e10046075c36888e49

はいさい!キジムくんです。
1月は沖縄も10度を下回る日があって、冬って感じだったな。
とはいえ、北陸地方や北海道の寒さを思うと背筋が伸びる思いだ。
電気代やガス代がガンガン上がってるみたいで大変だけど、なんとか生きていこう。
2月のおいらの友だちは、今までになくオーラのあるえらい感じのひとと妖精みたいな可愛らしさのあるコンビでお届けするよ。
みんなの特徴も読んでってくれよな。
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*おまけ話
キジムナーには「大石林山」、「ガンガラーの谷」など古いガジュマルの木があるところに行けば出会えるかもしれません。
サンゴ礁の海に暮らすグルクンの頭が大好物。海に潜って漁をするのが得意でひとと一緒に漁に行ったり、人間と結婚したりもするなどひととの距離感が近い存在とされています。
そんなフレンドリーさもありながら、住んでいるガジュマルの木を切られたりして怒るとひとの命を奪うくらいとことん追い詰めてくる恐ろしい一面も持っているとか。「タコ、ニワトリ、熱い鍋蓋、屁」が嫌いなので、もしもの時は投げつけて逃げてくださいね!
*ぬいぐるみの特徴
キジムくんはよく寝てよく食べます。思ったより大食いで食べ散らかす癖があるので食材 を出しっぱなしにしていると大惨事になるでしょう。前髪がジャマをして近視になってし まった為、他のキジムナーより嗅覚が発達しています。匂いをかぐのが好きで人間も匂い で覚えます。人間とともだちになるために「ある日、」に住みついています。
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◯琉球王国建国記念日(2/1)

みんなも知っていると思うけど、沖縄県はかつて「琉球王国」と呼ばれる独立国家だったんだ。12月の「グスクの石垣くん」の時にもちらっと触れたけど、王国以前は漁労採取の生活を営む「貝塚時代」(10世紀頃まで)、農耕が盛となり内陸部へと生活が移動し「按司(あじ)」と呼ばれる支配者層が現れ、東アジアとの交易も活発化した「グスク時代」(13世紀頃まで)、按司勢力が三分(北山王国」「中山王国」「南山王国」)され、覇権争いが激化した「三山時代」(14世紀頃まで)という歴史を歩んできたってわけ。約300年も続いた三山の対立を終わらせ、王国を誕生させたのは「尚巴志(しょう はし)」という佐敷(南城市)の按司だったんだ。で、何で2月1日が建国日なのかっていうと、1425年に中国・明王朝の宣徳帝がこの尚巴志を琉球王国の王として認めた交易記録書「歴代宝案」の日付がまさにこの日だったからとされているよ。ただ、三山を統一したとされる1429年が王国の始まりだとする歴史もあるので、諸説ありますって感じなんだけどな。
*おまけ話
キジムくんが説明してくれたような流れで琉球王国は始まりました。以後、ご存知の通り450年に及ぶ長い歴史を刻むこととなりますが、1609年に薩摩藩の島津氏が侵攻、首里城を包囲されあえなく降参します。そして薩摩藩の支配を受けながら間接的に日本の幕府体制へと組み込まれることとなります。それからも王国は続きますが、新政府の発足で1872年に琉球藩となり、琉球処分の末、1879年にはついに琉球王国が崩壊し、沖縄県となります。ちなみに最後の琉球国王は「尚泰王(しょう たいおう)」。わずか4歳で即位し、沖縄県が設置されてからは華族として東京へ居を移すなど激動の人生を歩みました。
*ぬいぐるみの特徴
名前:尚巴志
城作りが趣味。昔は工作キットを買って作っていたけど、最近はパーツから手作りして一 から自分で作ることに熱中している。現代は便利なネットショップもあるから色々な道具 や材料が簡単に手に入り便利だな~と思っている。城作りに集中しすぎて肩が凝ってしまって大変だけど、細部までこだわって作りたい欲求の方が強い。いつか城模型の展覧会をしてみたい。
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◯屋敷の御拝み、ならびに彼岸祭(旧暦の2月)

旧暦の2月と8月(または12月も)に行われている彼岸祭。春分、秋分を中日として前後合わせた7日間のうち、都合の良い日を選んで行われる行事だよ。元々は生きているものの修行として、「布施(施し)、持戒(戒律を守る)、忍辱(がまん)、精進(努力)、禅定(心の統一)、知恵(正しい洞察力)」を実践する六波羅蜜をひとつずつ実行する日なんだって。また、初日である彼岸入りを目安に屋敷の神々に家族の健康と円満な生活を祈願する「屋敷の御拝み」と呼ばれる行事も執り行われる。
日ごろ家を守ってくれている神様とのお通し処(ウトゥーシドゥクル)であり、家の守護神とも言われる「ヒヌカン(火の神)」(台所)と祖先(仏壇)にお供物をし拝むってわけ。ただ、家庭によってもユタや御願する人たちによってもお供物や拝み方も特に決まりはないんだって。
*おまけ話
この「屋敷の御願」でよく供えられるものとしては「線香、お餅(ウチャヌク)、果物(バナナ、みかん、りんごを奇数)、白紙、米(ビンシーと呼ばれる御願道具、または膳)、ウチカビ(あの世のお金)」などがあるそうです。ただ、キジムくんも言っていますが、そのスタイルは家庭によってそれぞれと思っていて良いでしょう。
ちなみに先ほどできてきたヒヌカンですが、沖縄では日常生活や年中行事に至る様々な場面でついてまわる大事な神様です。また「ウミチムン」という別名があり、それは火の神が祀られている三個のかまど石を意味するそうです。現在では台所に、陶製の香炉、水、塩、花木を添える形が一般的ですが、琉球古来の信仰が今にも残り、家内安全を願う風習へと繋がっているのです。
*ぬいぐるみの特徴
名前:ヒヌカン見習い
立派なヒヌカンになるために人間の世界へ修行に来ている。人間の営みを間近で観察・体験して、新時代のヒヌカンとして羽ばたきたい。貪欲に知識を吸収し、どんな小さなこと でも見逃したくないと思っている勉強家。ヒヌカン見習いが家に遊びに来たときは間違った知識を与えないように注意しましょう。与える知識次第でどんなヒヌカンになるか決まります。神と人間もお互い影響を受け合いながら生きています。
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城を作るひとに神様見習いなんて、ハウルの動くなんとかの沖縄版みたいだっただろう。
3月はもっと暖かくなっているだろうな。元気で。またやーさい。