お知らせ(展示やイベントなど)

月刊 OKINAWAのかたち with 片岡メリヤス|4月

「キジムくん」をナビゲーターに1年を通してぬいぐるたちと沖縄についてゆるく、真面目に学んでいます。
3月に入り、いよいよ夏が近づいてきた気がする沖縄。
引き続き楽しくキジムくんに沖縄のこと、ぬいぐるみたちのことを教えていただきます。キジムくん、ゆたしくねー◯

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本企画について詳細はこちら↓
https://hamahiga-aruhi.net/news/62d4e8e10046075c36888e49

はいさい!キジムくんです。
3月の前半は晴れ間が多かったけれど、後半は曇りがちだったな。なんだか梅雨入りを感じなくもない日が多かったぞ。

さて今月のおいらの友だちは、沖縄のひとたちの生活に密着した面々だ。
みんなの特徴も読んでってくれよな。

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*おまけ話
キジムナーには「大石林山」、「ガンガラーの谷」など古いガジュマルの木があるところに行けば出会えるかもしれません。
サンゴ礁の海に暮らすグルクンの頭が大好物。海に潜って漁をするのが得意でひとと一緒に漁に行ったり、人間と結婚したりもするなどひととの距離感が近い存在とされています。
そんなフレンドリーさもありながら、住んでいるガジュマルの木を切られたりして怒るとひとの命を奪うくらいとことん追い詰めてくる恐ろしい一面も持っているとか。「タコ、ニワトリ、熱い鍋蓋、屁」が嫌いなので、もしもの時は投げつけて逃げてくださいね!

*ぬいぐるみの特徴
キジムくんはよく寝てよく食べます。思ったより大食いで食べ散らかす癖があるので食材 を出しっぱなしにしていると大惨事になるでしょう。前髪がジャマをして近視になってし まった為、他のキジムナーより嗅覚が発達しています。匂いをかぐのが好きで人間も匂い で覚えます。人間とともだちになるために「ある日、」に住みついています。

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◯シーサーの日(4/3)

これまた語呂合わせって感じで4月3日は「シー(4)サー(3)」の日だ。シーサーの発祥地であり、たくさんのやちむんが並ぶ那覇市壺屋が2002年(平成14年)から記念日として毎年イベントを開催しているよ。そもそもシーサーは、古代オリエント時代にシルクロードを伝わって中国から沖縄にやってきたんだって。日本の神社やお寺にいる狛犬(こちらは朝鮮から伝わったもの)も仲間だな。呼び名はサンスクリット語で獅子を意味する「シンハー」が沖縄の方言になった感じで、シーサーの他にも「シーシ」と呼んでいる地域もあるんだ。遡ればエジプトのスフィンクスが一番古い原型?になると言われているとかないとか。まーすごーく古くから伝わる守り神ってわけだ。浜比嘉島の集落にある古い家の屋根や玄関には個性的なシーサーがいるから島に来た際は見てってくれよな。

*おまけ話
キジムくんが紹介してくれた浜比嘉島の集落にあるシーサーは一体のものも多く見受けられます。そもそもは魔除けの意味で置かれていたので一体だったものが、仏教観である「阿吽」の影響(金剛力士像なども)で2対が一般化したと言われています。ちなみに正面から見て右が口を開いているオス(こちらが魔除け)、左が口を閉じているメス(こちらは幸運を逃さない)とされています。シーサーの種類として①琉球王国の施設に置かれる「宮獅子」②村の入口や高台の守り神として設置される「村落獅子」③個人宅に置かれる「家獅子」に分けられ、③についてはさらに置かれる場所によって「屋根獅子」「屋敷獅子」「門獅子」に分けられます。1689年当時、相次ぐ火災を止めようと設置された村落獅子である富盛の石彫大獅子(今の八重瀬町)が、現存する最古のシーサーと言われています。

*ぬいぐるみの特徴
特徴:シサンクス
シーサーとスフィンクスから産まれた、その名もシサンクス。偉大な2頭の子供だけあっ て生命力がとても強く、悪いものを祓う力も尋常じゃない。咳払いをひとつしただけでそ の場の空気を浄化してしまう。本人はそんな自分を特別だとは思っておらず、ただただの ほほんと生きているだけ。ボール遊びが好きで、何かが転がるとボールと勘違いして追い かけるほど。産まれた時から脂肪が少なく寒さが苦手なので寝かせる時は座布団などを用 意してあげると良いでしょう。

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◯もずくの日(毎年4月第3日曜日)

待ってました!おいらも大好きなもずくの日だよ。もずくは沖縄が全国一の生産を誇っていて、なかでも浜比嘉島を含む勝連地域が沖縄のもずく生産の約4割というから、もはやもずくの島々と言ってもいいんだろうよ。なぜこの日がもずくにまつわる日になったのかというと、 沖縄県もずく養殖業振興協議会がもずくの生産が多い4月(正確には4月~6月)に旬なもずくに触れてもらおうと2002年(平成14年)に毎年4月の第3日曜日をもずくの日にしたんだって。改めていろんな会や記念日があって、人間って面白いなー。食べ方としてはもずくそばだったり、酢の物やスープなんかがあるけど、おいらはやっぱり天ぷらにして食べるのが好きだ。浜比嘉ブランドのもずくもあるから探してみてくれよな。

*おまけ話
名前の由来は他の海藻にくっついて育つことから、いつしか「藻付く=もずく」と言われるようになったそうです。そのほとんどが養殖で、沖縄県内では昭和52年に初めて養殖もずくが水揚げされました。それ以来改良を繰り返し、平成15年には約2万トンの生産量(日本で消費される9割以上が沖縄産)となり、もずくといえば沖縄として全国で知られるようになりました。豊富な食物繊維が腸内を整えてくれるほか、もずくに含まれるフコイダンはコレストロールを下げたり、がん予防にも効果があると言われているスーパーフードです。

*ぬいぐるみの特徴
特徴:もずくのネバネバくん
ネバネバ成分「フコイダン」である自分自身を誇りに思っていて、人間の健康を支えた い。身体がネバネバすることは少し気になっているけど、これも人間の健康のためと思い 我慢している。たまにネバネバで足が滑り転ぶことがある。そんな時は「もう我慢できな い!」と思ってネバネバを出さずに生きようかと思うけど最近は”スーパーフード”などと 言われていてかっこいいなと思い、カッコつけるためにもネバネバを出し続けている。実 はツルムラサキのネバネバ成分「ムチン」に恋をしている。納豆のネバネバ成分「フラク タン」は恋のライバルだがあんな臭い奴には負けてられない。

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◯イリオモテヤマネコの日(4/15)

沖縄県八重山郡竹富町の西表島にだけ生息、国の天然記念物のイリオモテヤマネコの日だ。いわゆる猫よりなんだかずんぐりむっくりした体型に丸い耳、太い尻尾、大きな鼻が可愛らしいんだ。発見されてから50年というタイミングで、竹富町が制定したんだって。なんで4月15日なのかというと、1965年にイリオモテヤマネコが新種として公表されたのがまさにこの日だったからというわけ。方言名は「ヤマピカリャー」と言って、"山で目の光るもの"という意味なんだ。ただ、「ヤマピカリャー」はイリオモテヤマネコとはまた違う未確認動物(UMA)とする説もあって、なんだか壮大だ。

*おまけ話
発見から12年後に国指定特別天然記念物となり、2007年には現存種でもっとも絶滅する可能性が高い絶滅危惧種IA類に指定、現在の数は100頭ほどと言われています。通常の小型猫はネズミやウサギなどの小さな哺乳類を食べますが、イリオモテヤマネコは餌資源の限られる西表島での環境に適するためにトカゲやヘビ、カエルなどさまざまなものを食べることで生き延びたとされています。ちなみに発見したのは動物文学者として知られる戸川幸夫さんというかた。西表島に取材できていた際に、野生の猫がいるという話を聞きつけ島民たちの助けも借りて頭蓋骨と毛皮を手に入れることに成功したそうです。遺伝子的には、生息環境の違いから異なる進化を遂げたベンガルヤマネコの亜種とされています。

*ぬいぐるみの特徴
特徴:ヤマピカリャー
イリオモテヤマネコが絶滅しないように見張りをしている。西表島でのパトロールを毎日 欠かさずやっていたけど、見回り当番がもうすぐ終わるから思い切って島から出てみよう と考えている。イリオモテヤマネコは島から出れないけど、自分はヤマピカリャー。ヤマ ピカリャーは未確認動物という噂があるからその噂を日本中に聞かせて歩きたい。野良猫 や家猫にイリオモテヤマネコの現状を伝える仕事もしたいと思っている。猫界を盛り上 げ、世界中に猫ネットワークを作って、どこに住んでいても猫同士が繋がっている未来を 夢見ている。いざという時の猫パンチも特訓中。

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どうだ、今月の友だちはいつになく会ってみたい面々だっただろう!
本当にいるのかな、とおもいながらぜひある日、に会いに来てくれよな。
この企画もいよいよ終盤。5月も元気に会おう、またやーさい*